• SHARE
  • Share to X(Twitter)
  • Share to Facebook

能登半島地震により、
被害に遭われた皆さまに
心よりお見舞い申し上げます。
昨年、私たちは富山県岩瀬地区の皆さまに
大変お世話になりました。
スタッフ一同、一日も早く復旧されますことを
お祈りいたします。

「伝統と革新」を標榜し今の時代に異彩を放つBMW R18と、
さまざまな領域において独自のスタイルで活躍する18人とのコラボレーション。
第10回は、前回に続いて、一流の職人と料理人が集結する街、富山県岩瀬地区から、
伝統的な技法をベースに「本物よりも本物らしい」と言われる写実的な作品で国内外にファンの多い
木彫家・岩崎努氏と、BMW R18公式アンバサダー・佐藤陽子による対談をお届けします。
静かで美しい空間での楽しい言葉のやり取りをお楽しみください。
岩崎 努木彫家
欄間彫刻が盛んな富山・井波出身。1本の木材から彫り出す「一木(いちぼく)造り」という伝統的な技法で、山車や神輿といった文化財からレストランの装飾オブジェなどを制作。岩瀬に構えた工房で作り出されるその写実的で美しい作品は、国内外で高い評価を受けている。
公式ホームページ http://www.dentousyokunin.com/12.html
佐藤 陽子BMW R18公式アンバサダー
BMW Motorrad の造形美、機能美に惹かれ、美容業界から転身して、この世界に。好きになるととことん、という性格からか、Motorrad でも珍しい認定アクセサリーアドバイザーの資格を得るなど、Motorrad の世界観を伝えるために様々な活動を展開中。2022年からは、自社マーケティングや、
R18アンバサダーを努めるなど、より多くの人にブランドを体感して頂けるよう、日々活動中。
モトラッド世田谷 https://www.bmw-motorrad.jp/motorrad-setagaya/ja/home.html
倉持 拓麻モトラッド世田谷 サポートライダー
  • -1. 岩瀬にR18の鼓動が響く
  • -2. 岩崎努の静謐で美しい世界
  • -3. 「写実」は見たままを写し取ることではない
  • -4. 成長はぜんぶ勘違いだった?
  • -5. 「伝統」に追いつくことが「革新」
  • -6. 岩瀬に工房を構えたわけ
  • -7. 木彫とオートバイのコラボは成立するのか?
-1. 岩瀬にR18の鼓動が響く

これがR18というオートバイです。1800ccなんですよ。

免許を持ってないのでオートバイ自体に乗ったこともないですけど、
オートバイとしては王道のデザイン、という感じですね。

100年前に最初に作ったオートバイの形をオマージュして
先進の技術を詰め込んであるんですよ。
いろんな技術の先には何があるんだろう、って突き詰めた末に
「原点に戻ろう」みたいな感じで出してきたんです。

自分の目からもエンジンが張り出して見えるのが特徴的ですね。
エンジンをかけなくても鼓動感が直に伝わってきます。

オートバイって倒れるとタンクがへこんだりするんですけど、
これはボクサーエンジンといって、左右に張り出してドコドコ殴り合うような構造なので、
倒れてもエンジンが先にあたって凹んだりすることはないんです。

普通のオートバイはこんなんじゃないですよね?

エンジンは普通は下に収まってるんですけど、BMWは左右に張り出した
水平対向っていうエンジンを採用してまして。
元は飛行機のエンジンなんですね。

あえてそうしているというか、機能美ということもあるんですか?

シャフトがいちばん下にあって、エンジンも下の方にあるんで
バランスがとりやすいんですよね。
それが見た目にもかっこいいと思ってます。

安田さん(ガラス工芸作家)はオートバイ大好きだから喜んでたでしょう?
Relation18 EPISODE9
CHOP(鉄作家 澤田健勝さん EPISODE12登場予定)も大好きだから、
彼に買わせてみんなで乗ろうかな(笑)

楽しそうですね(笑)
ちょっとまたがっていただいてエンジンかけてみましょうか。

おー…こんなに振動するものなんですね…
この鼓動というか振動は、なんか命を吹き込まれた感じですね。

クルマもそうですけど、最近のオートバイって静かにスーッて走るようになってるんですが、
R18はこの鼓動感が独特なんですね。
これ以外のBMWのオートバイって、メカメカしいっていうか機能とかスペック重視なんですけど、
R18は「オートバイそのものを楽しもう」っていうBMWの思想が詰まってるんです。
もちろん100年間培った技術ももりもりに詰まってるんですが。

こういうの(サイドバッグ)って雨に濡れても大丈夫なんですか?

オートバイはコンパクトでありつつ、劣悪な環境にも耐えなければいけないので、
こういったアクセサリーもかなり頑丈にできてるんですよ。
いろんなスポーツとかアクティビティがありますけど、
実はオートバイに乗るというのがいちばん過酷なんじゃないかって。
風にさらされ雨にさらされ、アウトバーンなどでは時速200キロとかで走るわけなので、
ぜんぶむき出しでも10年20年大丈夫っていう設計です。

ここ(サイドカバー)のデザインは特殊なものなんですか?

今までいろんな方とコラボレーションしてきたんですけど、
漆職人の方に漆の技法で装飾していただいたものなんです。
しぶきという技術でこのパーツをカスタムしてみようということで。
Relation18 EPISODE5
岩崎さんにも、R18の世界観をいろいろ広げていただくような何かできないかと
ご相談をさせていただこうと思って、いろいろ考えてるんですけど…

僕の作品を見ていただいて、何かご提案してもらえたらうれしいです。
中へどうぞ。

-2. 岩崎努の静謐で美しい世界

僕の作品は、基本的には「一木造り」っていう、
一つの木の塊から作品を彫りだしていくスタイルなんです。
これは13年前にその年の干支だったうさぎを彫ったものです。
ぴかぴか光ってるのはニスを塗ったりペーパーで磨いたりしたわけではなく、
鑿(のみ)を木の繊維に逆らわずに入れていくことで、
こういう自然のつやが出てくるんですね。

うわー…すごい輝いててふわふわした感じも出てますね…(ため息

時間がたつとどんどん深い色とつや風合いが増してくるので、
それが木彫の魅力かなと思っています。

何年たっても美しいと言うか、美しさに深みが出るものなんですね…

手入れも時々から拭きするだけなんですよ。
で、最近は、もっと表現が広がるようになれば、ということで、
一木で造ったものを組み合わせる、言わば「足す」ような作品づくりもやっています。
これは下絵と作品の一部をこうして並べているんですけど、
出来上がった作品は富山のレストランに飾ってあります。
このままでは彫れないので、つなぎという補強部分をつけてるんです。

実際に彫り始めるまでもすごく準備がいるんですね…
1つの作品が完成するまでにどの工程にいちばん時間がかかるものなんでしょう?

やはり下絵っていうのが重要で、つなぎをつけて彫るんですけど、
最後は自立させないといけないので、どこをくっつければいいかとか
計算しないとできないんですよね。
見た目として良いだけではだめなので、そこはすごく時間をかけています。

-3. 「写実」は見たままを写し取ることではない

これは柿なんですけど、たくさん彫ってるものの中では最新の柿です。
柿って郷愁というか日本の故郷の原風景、哀愁を感じさせるじゃないですか。
なので日本の工芸作品としても世界の方々にわかりやすいので、
柿を彫ることが多くなるんですね。
ここの枝も楓材で彫ってまして、ほんとはもっと長かったんですけど
途中で折れてしまいました(笑)

ほんと、枝も含め本物の柿にしか見えないです…

本物に見えると思いますけど、実は見たままではないんですよ。
自分としてはまだかっこつけてると言うかポーズをつけてる柿が多くて、
ほんとは誰の目に止まらないような、そういうごく自然なものが作りたいと
思ってるんですけどね。

自然のものを人の手で自然に見せるって…なんかすごいですね…
神様みたいな…って、なに言ってるかわかんないんですけど(笑)
写実って「実」を「写」すって書くじゃないですか。
実を写す以上に実を写すってどういうことなんでしょう?
この柿が現実の柿よりも訴えかけてくるものがあるっていうことは、
じゃあ私が見てる柿と岩崎さんが見ている柿は違うのかも、とか…

写実の「実」って言うのは僕の解釈では「本当のところ」っていう意味があるのかなと。
じゃあ柿の「本当のところ」って何かって、人それぞれ違うと思うんですけど、
柿らしさを詰め込んだものを作りたくて、実はすごく嘘をついてるというか
誇張してるとこもたくさんあるし、省略してるとこもたくさんあって、
自分にとっての柿らしいものを作りたいと思って作ってるんです。

だから普通の柿より柿らしいって思えるんですね。
どの辺が誇張なんですか?

例えばこのヘタの部分って、普通はここまで立ち上がってないんですよね。
もっとぺったりしてるものが多いんですけど、こうした方が彫刻的な見せ所もあるし、
僕の柿らしさが出せるかなって思ったんです。

写実は見たままを写し取るんじゃないんですね。

人それぞれです。僕はそう思ってる。

こちらは4、5年目の柿ですね。
まだ気取ってます。これはこれでいいかなと思ってはいますけど。

私が見ても気取ってるなんてぜんぜんわかんないんですけど、ただただハーってなります…
先日、日本画家の榊山さんにお話を伺ったんですけど、
描くのに使う顔料を作っていくのが楽しいっておっしゃってましたね。
材料一つひとつにもストーリーがあって、それを追いかけながらやってくと
絵との相性が良かったり、いろんな発見があってすごく楽しいっていうお話を
いただいたんです。
Relation18 EPISODE8

ああ、おもしろいですね。通じるところがあるように思います。

あなたもRelation18にご参加ください。

メールアドレスの登録で、
イベントや新着記事のご案内、
さらには素敵なプレゼントもご用意しています。

○登録&インストアライブご来場でオリジナルステッカーをプレゼント

○登録&R18ご成約されたお客様は、専用ボディディテーリング&コーティング 50%オフ

BACK TO TOP