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能登半島地震により、
被害に遭われた皆さまに
心よりお見舞い申し上げます。
昨年、私たちは富山県岩瀬地区の皆さまに
大変お世話になりました。
スタッフ一同、一日も早く復旧されますことを
お祈りいたします。

「伝統と革新」を標榜し今の時代に異彩を放つBMW R18と、
さまざまな領域において独自のスタイルで活躍する18人とのコラボレーション。
第9回は、世界のVIPをうならせる一流の職人と料理人が集結する街、富山県岩瀬地区から、
伝統的な技法をベースに独自の色あいやデザインで見る人を魅了するガラス工芸作家・安田泰三氏とBMW R18公式アンバサダー・佐藤陽子による対談をお届けします。
安田 泰三ガラス工芸作家
18歳でガラス作家としての道を選び、25歳で富⼭の地にスタジオを設立。空中で息を吹き込みながら成型する宙吹き技法から生み出されるガラスの柔らかな表情、レースガラスやモザイクガラスなど、手作りでしかできない繊細な文様にこだわりながら、花器、茶道具、テーブルウェア、オブジェなどを制作。国内外で多数の受賞を重ねる注目のガラス作家。
公式ホームページ https://toyama-glassartists.com/member/taizo-yasuda/
佐藤 陽子BMW R18公式アンバサダー
BMW Motorrad の造形美、機能美に惹かれ、美容業界から転身して、この世界に。好きになるととことん、という性格からか、Motorrad でも珍しい認定アクセサリーアドバイザーの資格を得るなど、Motorrad の世界観を伝えるために様々な活動を展開中。2022年からは、自社マーケティングや、
R18アンバサダーを努めるなど、より多くの人にブランドを体感して頂けるよう、日々活動中。
モトラッド世田谷 https://www.bmw-motorrad.jp/motorrad-setagaya/ja/home.html
倉持 拓麻モトラッド世田谷 サポートライダー
  • -1. 岩瀬にR18がやってきた
  • -2. ギャラリーにて ~安田泰三の世界~
  • -3. ガラス作家への長い長い道のり
  • -4. 安田泰三は劣等感の塊だった!?
  • -5. 大型免許を取るかアラスカに行くか!?
  • -6. 世界とつながっている岩瀬
  • -7. 安田泰三×R18、何が生まれる!?
-1. 岩瀬にR18がやってきた

おおー!でかいですねー!

今回の対談のために東京からはるばる乗ってきました!

えー!佐藤さんがですか? まじですか!?

けっこう大変でした(笑)
安田さん、バイクに乗られたことは?

バイクには乗ってるんですよ。
もっとちっちゃいやつですけど。
こんなにでかいのは乗ったことがないです。

まあでも操作は一緒ですから。
ぜひエンジンかけてみてください。

(エンジン始動)
おおおお!すごい!
これだとツーリングも楽ですよね!
これはいいわー!

ここのサイドカバーには漆の技法を使って漆職人の方にカスタムしていただいたんですよ。
Relation18 EPISODE5

へー!かっこいいですねー!

バイクはどれくらいのペースで乗られてるんですか?

年に2回ほどですかね(笑) 
アイディアが煮詰まった時に乗ってます。

乗らないとおれ壊れちゃうぞー、みたいな時ですね(笑)

まあそんな感じですかね(笑)

-2. ギャラリーにて 
~安田泰三の世界~

じゃあギャラリーで作品をご覧いただきながらお話ししましょうか。

すごーい!どれも美しいですね…(溜息)
安田さんのガラス作品って一言で言うとどういう特徴があるんでしょう?

ガラス工芸にもいろんなジャンルがあるんですけど、
吹きガラスっていう手法のものをやっています。
数としては木型とか金型に吹き込んで
同じ形のものをたくさん作る「型吹き」っていうものが多いんですが、
作品としては「宙吹き」というのをやっておりまして。
宙吹きというのは、型を使わずに空中で成形して、
一品物を作っていくっていうものです。

一つとして同じものがない、ということですね…

そうですね。
1000年くらい前から使われている技法をずっとやってるんですが、
ガラスの素を高温で溶かして、それが冷めない間に回転させながら
息を吹き込んで形を作っていく。
陶芸で言うろくろを横向きにして回しながら成型していくイメージです。
高温の素材に重力がかかるので下がっていくスピードに合わせて
吹き込む竿を回すスピードも変えていく。
温度と遠心力と重力をコントロールして成型していくスタイルです。

すごい…それでいてどうやってこんな複雑な模様ができるんでしょう…

あとで工房に来ていただいてご説明しますね。
炉の前はめちゃめちゃ暑いので覚悟しといてください(笑)

先ほど乗っていただいたR18はBMW100周年を記念して、
「伝統と革新」っていうテーマで作ったオートバイなんですね。
100年の伝統を生かしつつ、これからの100年に向けて
いろんな革新的なものを取り入れてるんですけど、
安田さんは、そのずっと続いているガラス工芸の伝統の中で
どういう革新的なことにチャレンジされてるんですか?

いえいえ、そんなたいそうなものではなくて(笑)
日本のガラスの歴史ってすごく短いんですね。
ヨーロッパは1000年。日本はちょっと遅れてる。
ヨーロッパの技法はやっぱり日本の技法より複雑で難しいんです。
で、僕はベネチアのテクニックを取り入れてやってるんですが、
ベネチアで使ってる色ってバキッバキッとしたものが多いんですね。
なので、僕は、淡いグラデーションとか色合いとかを自分なりに考えて発色させたり、
他にもいくつかの技法を組み合わせて、それらをコントロールしながら入れていく。
そういうところがまあ新しいと言えば新しいかもしれないですね。

たとえば、気泡を入れてある作品とか、すごい繊細で美しいんですけど、
あれはベネチアの伝統的な技法なんですか?

伝統的な部分もあるんですが、僕しかやれない部分もありまして、
それを併用してやってる感じです。

まさに「伝統と革新」ですね。

-3. ガラス作家への長い長い道のり

そもそも安田さんはガラス工芸とどこで出会ったんですか?

たまたまとしか言えないんですけど、高校卒業する時に、
富山に日本初の公立のガラス工芸の学校ができる、という記事を見まして。
やったことはないんだけど、ものを作れる環境があるのならやってみようかということで
その学校に入ったのがきっかけですね。

元々は関西の方ですよね?

そうなんです。もう偶然も偶然なんですよ(笑)
ガラスの試験がダメだったら多治見の陶芸の学校に行こうと思ってました(笑)

他の方にお話を聞くと、「いずれ人間国宝になるすごい方だよ」って伺ったんですが、
きっかけはそういうことだったんですね(笑)

いやいやそんな、まだまだなんですが、その学校というのは、
「富山をガラスの街にしよう」というプロジェクトが35年前にありまして。
富山は薬の瓶を作る工場がたくさんあったけど、
その容器がプラスチックに代わってガラスの工場がどんどんなくなっていった。
富山の中で、金工や漆が盛んな高岡だったり木彫が盛んな井波だったり、古い産業や文化がある中で、
新たにガラスを産業にしようということで学校を作ったんですね。
ガラス工房ってどこの県にもあるんだけど、作家を育てる学校というのはどこにもない。
公立のガラスの学校では設備は世界一。
1学年15人の少数精鋭なのに、公立なんで学費が安い!
学習塾みたいな額です(笑)
なので、プロを目指す方、すでにセミプロみたいな方も含め、世界中から集まってきたんです。

さぞや厳しい学校だったんでしょうね…。

僕はそうは感じなかったけど、みんなピリピリしてましたね。
2年間でぜったいプロになるぞ!みたいな。
僕は18歳で入ったんですが、当時の平均年齢は28歳。
ガラス工芸のセミプロとか美術関係の仕事をしてる人とかデザイナーとか、
そういう人が脱サラして入ってきて、2年でプロになるぞ!って。

その時のご苦労とかなかったんですか?

苦労っていうか、僕は左利きだったから、右利きの人用の道具を使って作業する
吹きガラスはそもそもダメだと思ってたんですよ。
なので彫刻みたいなのばっかり1年に作品を2,3個くらい作ってて。
そういうことをしてたんだけど、卒業が近くなってきて先生と話したら、
そんな彫刻でメシ食える人いないよ? 器を作れないと続けるところがないんじゃない?って。
学校を卒業してすぐに自分の工房を持つのは難しいから最初はどこかで修業することになるのに、
左で覚えたら採用してくれるとこないよ?って。
だからそこから右で覚えるのがまあしんどかったというか…
でも、道具は右利き用なんですがガラスを回すのは左手で回すので
右利きの人は回すのが苦手なんですよね。
その点は左利きは有利だったかもしれない(笑)

そこを卒業された後は?

富山市の思惑としては、世界一の設備で3年勉強させたら、
ところてん式にどんどん作家が生まれるって思ってたようなんですが、そんなわけないんです(笑)
みんなおカネもないし工房なんか建てれない。
そしたら、もうちょっと修行させないとダメだ、ということで学校の横に
富山市としてガラス工房を作ってくれたんですよ(笑)
3年限定で給料をもらいながら働いて、3年後は富山市内で独立しますっていう条件で。
プロになれなかったら出て行かなくちゃいけない。
年間2人だけ採用するというところに採用していただいて3年そこでやってました。

ずっと富山で生きてくぞ!
みたいなものはあったんですか?

いやいや、それどころかプロになれるのかな?やっていけるのかな?って…
でもレールに乗せられたからもうしょうがなく、山ほど借金して工房作って窯作って、
自転車操業みたいな感じで毎日やってたんですね(笑)
ずっと富山でやれるとは、まさかまさか…思いもしなかったですね。

でも一応はプロとして独立できたわけですね?

工房におる間の3年間でお金貯めなさいよって言われてたんですが、
そんなに貯まらないんですよ。
で、工房の専務に推薦状書いてもらって借金をするんです。
窯を作るだけでも1千万円ほどかかるんですよ。

へーーー!

それだけでローンの枠がいっぱいになってしまって、
そんなんで工房なんて建てられませんよって市議会議員の方にかけ合ったら、
こんどは工房を賃貸で富山市が建ててあげるって(笑)
ガラス工房の隣の敷地に(笑)

富山市、やさしいですね(笑) と言うか、泥縄式?(笑)

4人いたんだけど2棟だけ建ててあげますよと。
家賃は安いけど運営管理は自分でやりなさいね、と。
そんなわけでなんとかオープンしたわけです。

その時ってどんなものを作ってたんですか?

食器とかですね。

独立したんですが、そうするとぱったり仕事がなくなったんです(笑)
一応、市の看板があるから、注文が振り分けられたり、
記念品を発注されたりとかで仕事が来てたんですね。
で、最初の1年くらいは仕事がなくて大変でした(笑)

作家として売れるためには何か賞とかに応募して入選したりして
評価されないといけなかったりするんですか?

まあそれもあるんですけどコンペに入選したところで、
そんなに注文が来るもんじゃないんですよ。
コンペに器を出品して賞を獲るなんてことがそんなにない。
なので、展覧会やらせてもらって、そこでちょっと話題になって、他からオファーが来て、
また個展をやらせていただいて、っていう感じで。

バーン!って人気が出たわけではなくちょっとずつ地道に…

そうなんですよ。 僕らの作品も、興味を持っていただいた方と、しゃべったり
いっしょに遊んだりして、じゃあ今度君に何か作ってもらおうかって。
そういう感じなんですよ。
うちのコレクション見に来てくれとか、ちょっとこれ修理してくれとか。
じゃあこんど贈り物したいから何か作ってもらおうか、みたいな。

そうなんですね…

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